Lesson5




「・・・オカルト部?」
「闇を喰らう力を求めた顧問は、神のみわざに怖がって戦いを捨て・・・今は居ない」
「んんん?」
「えぇとつまり、この部活・・・顧問の先生が居ないんです」

ミカサの通訳をするアルミン。
ナマエはミカサに頼まれてオカルト部の顧問になってくれないかとお願いされてしまった。

特に部活動の顧問を請け負っていた訳でもないし、エレン、ミカサ、アルミンの3人は日頃掃除の手伝いもしてくれる・・・ナマエはこくりと頷くと

「うん、いいよ」
「闇の力を求めし勇者・・・」
「ありがとうございます!」

エレンは、というとあまりオカルト部に興味は無いようで本日は部活には出ていないようだ。
タイタン・ハイスクールの奥の院にまで追いやられてしまったオカルト部の部室はもはや倉庫と言われてもいい。ホコリが舞い、蜘蛛の巣も張ってしまっている。

ぶら下がる蜘蛛を眺めながらナマエは引き笑いをすると

「ここ、掃除した方が・・・」
「あれは闇の眷属だから大丈夫」
「ええぇ?よく分からないよミカサ」

しかし、オカルト部とは一体どんな事をするのだろうか。活動内容を明確にしないと活動しようもないのだ。

「今日は・・・日本から伝わるこの降霊術をしようかと」

そう言ってカバンから取り出されたのは「こっくりさん」でナマエは顔を真っ青にすると

「だ、ダメダメダメ!ダメ、絶対!」
「何故・・・」
「これはヤバい奴だから!」

やった事は無いが、これにまつわる怪談話は沢山ある。ナマエは全力で首を振った。

「じゃあ、これは・・・?人形に米を詰めて、かくれんぼをする」
「ひ、ひとりかくれんぼ?! それもっとダメだって!こんな広い校舎でやったら偉いことになっちゃう!」
「ナマエ先生、詳しくないです・・・?」

学生時代、誰しもこういう物に興味を持つ人間は居るものだ。ナマエの友人にもそういう物に興味があり、最終的には占い師になって東京の占い師専門店で働いている。

「ほらオカルトじゃなくて、宇宙人とか、何なら占いとかやってみたらいいじゃない」
「占いはまだ勉強中。ゾエ先生に教えた催眠術ならできる」
「催眠術?凄いじゃない」

ナマエは感嘆に驚くとミカサはナマエを見て

「・・・先生、やってみる?」
「やってみて欲しい!催眠術掛かってみたかったの!」

そう言うとミカサは分かった、と頷くと

「じゃあ、先生を前世まで飛ばします」
「前世?飛ばす??」

頭に「?」を浮かべたナマエを無視し、ミカサはナマエをくっつけ合った机の上に座るように促す。

「ヒプノセラピーと言って、催眠術を使った治療法です。 先生、何か悩み事はありますか?」
「悩み事・・・」

突然そう言われても、とっさに思い浮かばずナマエは黙り込む。

人間関係も良好、仕事も楽しく、体調も問題ない。
恋愛、そんなワードが思い浮かびパッと出てきたのはリヴァイの姿・・・ナマエは顔が熱くなり俯くと

「し、強いていえば、恋愛かなぁ」
「例えば?」
「んーこの人だ!≠チて言うか、俗に言う運命の人って言うのに会ったことないの。 若気の至りでとりあえず男の人と付き合った事はあるけど・・・」

若者に聞かせる話ではない、とナマエは口を閉ざし

「どの人もピンと来ないの」
「過去世で何かあったのかもしれませんね。そこまで戻れるようにしましょう」
「う、うん・・・」

一体どうなるのか。するとミカサの掛け声で突然ナマエは後ろから引っ張られるような感覚になりそのままくっつけ合った机の上に寝そべってしまった。

何が起きたか全く分からない、覗き込んでくるミカサとアルミンを見つめることしか出来ずぼーっとしていると

「大丈夫、なにか異変があれば私が直ぐに手を叩きます」
「先生、頑張って!」

ミカサの声がとても心地よく聞こえ、合図とともにナマエは目を閉じた。






ふわふわとした感覚になり、勝手に顔や瞼がピクピクと動く感覚がする。



そのまま意識を離すと映像が映り込んできた。







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